fc2ブログ

奥田英朗「家日和」

2009.02.06.Fri.10:32
家日和家日和
(2007/04)
奥田 英朗

商品詳細を見る


家をテーマにした小気味のいい短編集。

営業マンが気になる主婦の話、リストラされて主夫になる男の話など、家庭を持つ人間でも多分持たない人間でも、どこかしら共感できる短編揃い。
その中の「家においでよ」は既婚男としてすごく気持ちがわかる。

とりあえず全編安心して読める。
「邪魔」のトラウマのせいで、俺はいまだにこの人の本は「伊良部シリーズ」以外は身構えてしまう。

しかしこの作者って結婚してたっけ?エッセイを読む限り、そんな感じではなかったけど。

まぁ小説家は創造してナンボだからな。

個人的満足度 ★★★☆☆
スポンサーサイト



奥田英朗「オリンピックの身代金」を読んだ

2009.05.25.Mon.08:41
昭和39年夏、オリンピック開催に沸きかえる東京で警察を狙った爆発事件が発生した。しかし、そのことが国民に伝わることはなかった。これは一人の若者が国に挑んだ反逆の狼煙だった。著者渾身のサスペンス大作!

オリンピックの身代金オリンピックの身代金
(2008/11/28)
奥田 英朗

商品詳細を見る


読みごたえ十分。
スケールの大きいサスペンス。
ラストがちょっと物足りない気もするが、大満足です。

富の全てが東京に集中する時代のお話。
国民のほぼ全員がオリンピックの成功を願っているのに、そのオリンピックを人質に戦う犯人におおいに感情移入しました。(アレに手を出したところはいただけなかったが時代背景のせいか嫌悪感は少なかった。)
失敗しても逃げおおせて欲しいとさえ思った。

しかし作者は文章が上手だね。いつも思う。
小難しい注釈もなく上下2段の500ページをスラスラと読ませます。

個人的にこの作者のエッセイ、小説は全てツボに入る。はずれなし。
だから採点は甘めかも。

個人的満足度 ★★★★★

奥田英朗「サウス・バウンド」を読んだ

2009.06.17.Wed.15:51
僕の父さんは元過激派とかいうやつで、いつも家にいて小説を書いている。学校なんか行く必要ないとか言うのだけれだけれど……。少年の視点を通して、変わり者の父に翻弄される家族を描く、長編大傑作!

サウス・バウンドサウス・バウンド
(2005/06/30)
奥田 英朗

商品詳細を見る


傑作。大傑作。笑えるし泣けます。
久しぶりに寝る間を惜しんで本を読んだ。

2部構成で1部は東京で息子の小学校生活がメイン。2部は沖縄へ転居する話。

個人的に1部が面白すぎて2部がちょっと落ちるかなと思ったけど、それでも十分いい。

親父が支離滅裂(一応筋は通っている)だがかっこいい。
愛すべき父親とその家族の物語。

この人の作品には極端な思想を持った人間が結構出てきたりするけど、まったく政治の匂いを感じさせないのが素晴らしい。

個人的満足度 ★★★★★(今までつけた星5つよりも上ですが)
今までつけた同得点よりも上ですが5段階評価なので。

ちなみに父親が豊川悦司、母親が天海祐希で映画化されてます。まだ見てません。
2,3時間でこの世界を表現できるのか?監督が森田芳光ってのもなぁ。

Drコトーみたいに現地でじっくり作って連ドラにして欲しい。

奥田英朗「イン・ザ・プール」を読んだ

2009.06.29.Mon.16:35
どっちが患者なのか? トンデモ精神科医伊良部の元を訪れた悩める者たちはその稚気に驚き、呆れ…。水泳中毒、ケータイ中毒、ヘンなビョーキの人々を描いた連作短篇集。

イン・ザ・プール (文春文庫)イン・ザ・プール (文春文庫)
(2006/03/10)
奥田 英朗

商品詳細を見る


久しぶりに再読したが、やっぱ面白い。そしてテンポがいい。
1度読んでいるとは言え、通勤片道1時間以内に読んでしまった。

笑いをかみ殺しながら読んだので、周りから変な奴かと思われたかもしれない。
そんな心配が必要な小説。
特に「上野公園でイラン人を雇ってくる」にいつも吹いてしまう。

TVにも映画にもなったけど、阿部寛よりも松尾スズキのほうが伊良部のイメージにあってる。

奥田英朗「用もないのに」を読んだ

2009.07.16.Thu.13:45
おっさん小説家が野球みたり遊園地行ったりフジロック行ったりするエッセイ集。

用もないのに


基本的におっさんのぼやきばっかり。
ゆるくてグダグダで僕は好きです。

内容としましては野球編と遠足編。
野球編には北京五輪野ジャパン観戦記、ニューヨークへジャズとヤンキース松井を見に行った話など。
遠足編はフジロックへ行った、世界一怖いジェットコースターに挑んだ話など。

どのお話も面白いですが、僕はフジロック参戦のお話が一番好き。
本当に楽しんでいる様が浮かびます。
作者がHighLowsを見て感動するのだが、甲本ヒロトやブルーハーツを知らなかったというのには驚いた。

しかしフジロック。僕も一度は行きたいなぁ。
サマソニは何度か行っているけど規模が違うんだろうなぁ。
僕もそういうことに躊躇してしまう年になりました。

個人的満足度 ★★★☆☆
 | HOME | Next »