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山田風太郎「叛旗兵」

2009.02.05.Thu.12:09
叛旗兵 (角川文庫 (5751))叛旗兵 (角川文庫 (5751))
(1984/07)
山田 風太郎

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---あらすじ

直江山城守兼続の養女伽羅に本多佐渡守正信の次男正重との縁談が持ち込まれた。これを嫌った兼続は、大谷刑部の忘れ形見左兵衛を婿として迎えた。が、腑抜けで覇気のない左兵衛に怒った伽羅は、直江四天王に彼を鍛えよと命ずる。ユニークな個性の持ち主で一筋縄ではいかない強者4人、伽羅の婿になりそこねた正重、その左右を守る宮本武蔵、佐々木小次郎までもが加わり、奇想天外な騒動が繰り広げられる。

---感想

なんでもありのエンターテイメント。キャラも立ってます。
エロサウナ入ったり、武蔵と小次郎が雀卓を囲んだりと無茶苦茶な展開の数々。
こんな馬鹿馬鹿しい話なのにラストが切ない。

俺は凄い楽しかった。

個人的満足度 ★★★★★

山田風太郎は面白いと言われてた甲賀忍法帳がイマイチ肌に合わなかったので、それ以降読んでいなかった。

読んだきっかけは、どっかの掲示板で大河で直江やるなら叛旗兵をやれよというのを見たので。
前田慶次も出るし。

大河無理だろ!TV東京がマイルドに改変すればドラマ化はできるかも。

まぁともかく、山田風太郎ちょっと追いかけてみよう。
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山田風太郎「忍法八犬伝」を読んだ

2009.02.20.Fri.13:47
里見家取り潰しを目論む本多正信により、里見家家宝の伏姫のおん珠(忠孝悌仁義礼智信)がすり替えられた。(淫戯乱盗狂惑悦弄)
それを取り戻すため甲賀の里の修行を逃げ出した八犬士の子孫8人に連絡を取るが知らねー、関係ねー。
さてどうなる?

忍法八犬伝―山田風太郎忍法帖〈4〉 (講談社文庫)忍法八犬伝―山田風太郎忍法帖〈4〉 (講談社文庫)
(1999/02)
山田 風太郎

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忍法帖シリーズでも初心者向けの作品らしいです。
というわけで、初心者の俺は選択。

簡単に言うとヒロインのために半端者たちが死をいとわず体を張るといった話。
エロい。そしてエキサイティング。ラブコメ要素もあり。
全編通して明るいノリなので読んでいて楽しいです。


家宝の奪われ方がすごい。
馬鹿殿が女忍者のあそこに家宝をつっこんでいるうちにすり替えられるという、本当に初心者向けか?という導入。
これが山田風太郎だ!文句を言うならもう読むな!と言った意味で初心者向けなのか?
で、俺ははまりました。

出てくる忍法もすごい。
交合中の男性器を蝋燭にし影を操る「忍法摩羅蝋燭」、交合の際女性器に自分のペニスの薄皮を残す事により快楽を与え続ける「忍法蔭武者」、外科整形手術「忍法肉彫り」などなど。

特に凄いのが「忍法地屏風」。
縦横を逆転させる、つまり世界を90度回転させるという荒業。幻覚ではなく物理的に。
雨が壁に向かって降り、炎が地面に沿って燃え上がります。なぜか?説明はないです。
これは訳あって騎上位での交合しかできない女性が、まぐろ状態の男性のプライドを傷つけないために、という優しさから生まれた忍法。
もちろん敵を殺すために使用されます。

個人的満足度 ★★★★☆

山田風太郎「柳生忍法帖」を読んだ

2009.03.09.Mon.16:34
暴君加藤明成とその家来「会津七本槍」に復讐する七人の美女と、それを手助けする柳生十兵衛の活躍。
エロい。グロイ。そして痛快。

柳生忍法帖〈上〉 (角川文庫)柳生忍法帖〈下〉 (角川文庫)


忍法帖シリーズを読むのはこれで3作目。

とにかく面白い。

剣には強いが、女に弱い。復讐劇を面白がる奔放な柳生十兵衛がかっこよすぎる。
特に沢庵が捕らえられて敵の城に乗り込んだときのセリフにしびれた。

対する敵は良心が一片もないほどの凶悪、そして人間離れしてます。
鞭を自在に操ったり、犬を自在に操ったり、髪の毛を自在に操ったり、最終的には不死身の男が出てきます。殿様はサイコです。

登場するキャラクターはハチャメチャでストーリーも予測不能。

そりゃ今でも人気あるわな。

ちなみにコレ漫画になっているらしいです。今更知りました。
冒頭の大虐殺シーンはどうすんだろ?
美男美女で天井、床、壁を創った人間部屋とかどうすんだろ?
今度、どんだけエロいか読んでみたいと思います。

個人的満足度 ★★★★★

山田風太郎「柳生十兵衛死す」を読んだ

2009.03.16.Mon.03:01
おなじみ柳生十兵衛が室町時代のご先祖と時空を飛び越えて入れ替わる伝記剣豪小説。


柳生十兵衛死す〈上〉 (小学館文庫―時代・歴史傑作シリーズ)柳生十兵衛死す〈下〉 (小学館文庫―時代・歴史傑作シリーズ)


「柳生忍法帳」、「魔界転生」とあわせて、柳生三部作との事ですが、それぞれ独立しているのでどれから読んでもいいみたい。自分も「魔界転生」は未読。

上下間合わせて800ページオーバー。読み応えはあります。

タイムスリップするまで上巻をフルに使い、江戸時代の十兵衛、室町時代の十兵衛のそれぞれの思惑、闘いを描きますが、入れ替わった後は宿主の思いを超えて無茶苦茶します。足利義満の息子を斬ろうとしたり、幕府の重臣服部半蔵を切り殺したり。

力作。能によって時空を飛び越えるという発想は流石です。
でも忍法帳シリーズと比べると淡白。特にエロが足りない。

普段はエロ描写を見ても邪魔だなぁ、いるの?と思う俺なのに、この作者にそれがないと寂しい。

それと気のせいか後半駆け足になってない?
最強の敵の必殺剣法が、目的が別の所にあり「心ここにあらず」のおかげで破られるってどうなんだろ。理屈ではわかるような気がするけど。

後、十兵衛のキャラ(江戸時代の)が、「柳生忍法帳」とどっか違うなぁ。
ユーモアがあり豪快なのは一緒だけど。
女に弱いという部分か?でも忍法帳みたいにあそこまでの女性と絡む事もないからそりゃそうか。


個人的満足度 ★★★☆☆

山田風太郎「風来忍法帖」を読んだ

2009.03.30.Mon.15:53
豊臣秀吉麾下2万余の軍勢に対し、わずか数百人の手勢を率い北条方の小城・忍城を守る美貌の麻也姫。
姫を陰に陽に護るのは、忍びの者として天下に鳴る風摩組。
中に割って入る戦場荒らしの7人の香具師は、麻也姫の貞操を狙う。
香具師VS.風摩忍法、武州の地で機知と詐術を巡らす縦横の戦い!

風来忍法帖―山田風太郎忍法帖〈11〉 (講談社文庫)風来忍法帖―山田風太郎忍法帖〈11〉 (講談社文庫)
(1999/07)
山田 風太郎

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有名な忍城の戦いが舞台。最近じゃ「のぼうの城」ってのがはやりました。(個人的にはこれはいまいち)

忍法八犬伝と同様に1人のヒロインのために悪漢たちが体を張る、というストーリー。

個性にあふれた登場人物、風魔忍者との戦いはアイデアにあふれ、話は明るく、そして切ない。
文句なく面白いと思う。

でも7人の香具師が好きになれなかったので、イマイチ俺はのれなかった。
やっぱ女性を強姦して売り飛ばして(一応女の人は納得してます)金を稼ぐってのが、正直引いた。
面白い奴らとは思うけど。

一応僕はジェンダーだがフェミニストだがウーマンリブやらではありません。
ただ単にそこがあわなかったって話です。
「マルドゥック・スクランブル」の主人公が少女娼婦ってのは何とも思わなかったのになぁ。

個人的満足度 ★★★☆☆
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