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辻村美月『凍りのくじら』を読んだ

2009.03.02.Mon.17:11
カメラマンの父が失踪してから5年。毀れそうな家族をたったひとりで支えてきた高校生・理帆子の前に現れた青年・別所あきら。彼の優しさが理帆子の心を癒していくが…。家族と大切な人との繋がりを描く「少し不思議」な物語。

凍りのくじら (講談社文庫)凍りのくじら (講談社文庫)
(2008/11/14)
辻村 深月

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各章のタイトルがドラえもんの道具になっています。「どこでもドア」、「ツーカー錠」、「どくさいスイッチ」など。タイトルだけでなく「ドラえもん」というキーワードが全体に通じています。

ドラえもんは俺も好きだったので、とても楽しめた。

読む前は、主人公が女子高生かぁ、青春ミステリーかぁ、ならなぜ選んだ?と、かなり腰が重かった。
実際最初の方は瑞々しい感性、文章が30男の俺にはまぶしく感じた。

ミステリー要素は強くないが、中盤の元カレの壊れっぷりはハラハラします。本当にイタい。

母親の事、元カレの暴走などで物語が暗くなっていきますが、落ちが見事に決まって最後はスパッと晴れやかに終わります。
よくあるネタといえばそうかもしれませんが、俺はやられました。ほろっとした。
ドラえもん好き、藤子・F・不二雄が好きなら、このラストは気に入ると思う。

まさに「少し不思議」な物語です。

個人的満足度 ★★★★☆
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