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山田風太郎「忍法忠臣蔵」を読んだ

2009.04.30.Thu.11:13
実家である吉良を助けるため赤穂浪士を暗殺しようと忍者を送り込む上杉家当主。
赤穂浪士暗殺を阻止し、さらに赤穂浪士を骨抜きにしようと女忍者を送り込む上杉家家老。
「忠義が嫌い、女も嫌い」の主人公、無明鋼太郎は女忍者とともに暗殺計画を阻止できるか?

忍法忠臣蔵―山田風太郎忍法帖〈2〉 (講談社文庫)忍法忠臣蔵―山田風太郎忍法帖〈2〉 (講談社文庫)
(1998/12)
山田 風太郎

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エログロ、そして突飛な想像力を楽しめる、いつもの山田風太郎です。

冒頭の女人刺身の話は短編で読んだ事があるので、その話を膨らませたのだろう。

そのせいか物語大半をしめる赤穂浪士たちのからみの部分が浮いている感じがする。
目線も主人公目線じゃなく、赤穂浪士目線だからかもしれないが。

主人公のキャラクターがかっこいい。ラストもそれが生きていい具合にまとまっています。
でも、ちょっとジャンプの打ち切り漫画風味に感じるのはなぜ?

個人的満足度 ★★★☆☆

流石に連続して山田風太郎忍法帖シリーズを読んだせいか、ちょっと食傷気味になった。
そういう個人的な理由の減点もあります。

山田風太郎「伊賀忍法帖」を読んだ

2009.04.21.Tue.15:51
乱世の梟雄、松永久秀の邪恋のため、果心居士の弟子・根来忍法僧が美女狩りを行う。
そのために妻を失った伊賀忍者笛吹城太郎の復讐。

伊賀忍法帖―山田風太郎忍法帖〈3〉 (講談社文庫)伊賀忍法帖―山田風太郎忍法帖〈3〉 (講談社文庫)
(1999/01)
山田 風太郎

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美女の愛液を集めて惚れ薬を作っちゃおうぜ!
相変わらずぶっとんだ設定と奇想天外な忍術。それとエログロ。

それでいて切ない悲恋物になってます。

とくに敵である根来忍者僧が使う忍法壊れ蓑がぶっとんでます。
これは切断された人体をつなぐというBJ顔負けの忍法。
仲間の負傷を直すというほかに、松永久秀の愛妾「漁火」の首と主人公の妻「篝火」の首を入れ替えるという荒業を行います。そういやBJも馬の頭に人間の脳ミソを移植してたな。

篝火の首をもった漁火は邪悪な心を持つ人間になり、漁火の首をもった篝火は廃人となる。
脳みそがあるほう!とか関係ありません。血が混じりあって新たな存在となります。

きっとこれがやりたかったんだろうな。

テンポがいいので一気に読んでしまった。
面白い。
ただ果心居士の存在がなんとなく宙ぶらりんな気がする。

個人的満足度 ★★★★☆

酒見賢一 「周公旦」を読んだ

2009.04.17.Fri.15:12
孔子が夢にまで見た至高の聖人「周公旦」の生涯。
資料が乏しい伝説の人物を独自の解釈で描いています。

周公旦 (文春文庫)周公旦 (文春文庫)
(2003/04)
酒見 賢一

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陋巷に在り」を読んでいない人は、「礼」ってなんだよ!なんか霊界が出てきたぞ!と混乱するかも。

僕もしばらく前に読んだので、「易」、「礼」について最初訳がわからなかった。
「礼」というものを受け入れると、話が俄然面白くなります。というか物語の核だからそりゃそうか。

幼き王を補佐する周公旦とそれを妬む人たち。
できたばかりの国「周」の混乱により、自分の存在を守るためには天下を取るしかないと決意する太公望。
その駆け引きが面白い。太公望の存在も強烈。

今度は太公望の生涯を描いて欲しいな。

個人的満足度 ★★★☆☆

山田風太郎「妖説太閤記」を読んだ

2009.04.12.Sun.02:05
秀吉が徹底的に悪役として描かれた異色歴史小説。
哀れで最悪な主人公ですがユーモラスに描かれています。

妖説太閤記〈上〉 (講談社文庫)妖説太閤記〈下〉 (講談社文庫)


すこぶる面白い。
山田風太郎もので一番好きかも。
歴史小説でもかなり上位じゃないでしょうか。(司馬遼太郎読んだことないけど)

女が欲しい、という欲望のために天下を望む秀吉。
気持ちいいくらい徹底的な悪役です。さらにロリコン。

最悪な主人公だけど読んでいてもなぜか憎めない。
権力で側室を手に入れても女に愛されない秀吉。
「天下なんて知るか。それよりも女が欲しい。」と言い切る秀吉がなぜか痛快。

秀吉もあれだが、軍師竹中半兵衛もかなり非人間的。
こいつがまたいいキャラ。上巻で死んだとき下巻は面白さ半減かもとがっかりしました。

下巻は主に天下を取ってからの話。それはそれで面白い。

俺は読んで損なし!と思います。

個人的満足度 ★★★★★

山田風太郎「魔界転生」を読んだ

2009.03.30.Mon.17:16
映画でも有名。漫画、ゲームにもなりました。
忍法「魔界転生」で魔人として蘇った剣豪たち。それを利用し天下を狙おうとする徳川頼宣に対し、それを阻もうと戦いを挑む柳生十兵衛。剣豪伝奇小説。

魔界転生(上)―山田風太郎忍法帖〈6〉 (講談社文庫)魔界転生(下)―山田風太郎忍法帖〈7〉 (講談社文庫)


映画の内容もうろ覚え(千葉真一のしか観てない)だけど、ずいぶん違うような。
天草四郎はラスボスじゃないし、十兵衛の弟子たちとかいたっけ?
内容は千葉真一とジュリーがかっこいいという記憶はある。

それで原作はというと、さすが有名タイトル。これぞエンターテイメント。
怪しくて、淫らで、スケールもでかい。そして面白い。そりゃメディアミックスされるわ。

私の故郷、紀州和歌山が舞台ってのも嬉しい。
山田風太郎の小説を読むまで徳川頼宣って人物を知らなかった自分の無知が悲しい。(由井正雪は名前だけ知ってた。)

あんまり内容には触れてないけど、読んで損はないです。
超おすすめ。

個人的満足度 ★★★★★
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